第108回 「サービス」と「おもてなし」

私が愛読している「宮崎中央新聞」の記事を読んで知った話です。航空会社に勤務しておられた白駒さんは、「接客業」ではなく「接遇道」に携わっているのだと肝に銘じて、仕事をされていたそうです。

彼女によりますと、「接客」と「接遇」では提供するものが異なるのだそうです。「接客」とは「サービス」でありマニュアルが存在しますが、「接遇」は「おもてなし」であり、人の数だけの「おもてなし」がうまれるのだそうです。

そして、「おもてなし」というのは、単なる「ホスピタリティ」ではなく、「日本流のホスピタリティ」だというのです。それは、ドアの開閉における概念においても、日本独特のものがあるのだそうです。

ヨーロッパでは、外から部屋の中に入る場合、必ずドアを押して入るのだそうです。つまり、中から押し返せば外敵の侵入を防げるので、ドアは「閉める」ものだと思っています。しかし、日本人はドアを「開く」ものだと考えているのではないかというのです。ヨーロッパ人が「他人は敵」と思って「警戒」しているとすれば、日本人は「他人は隣人」と思って「心を開いて」いるのかもしれませんね。

第107回 10年間で地球一周

君原健二氏は、元東京オリンピックマラソンの代表選手で、1968年メキシコシティオリンピックの銀メダリストです。その君原氏の講演のダイジェスト文を読みました。

君原氏は、八幡製鉄所の陸上競技部に入りました。最初は、先輩のペースについていくことができず苦労したそうですが、練習後、他の部員が帰った後に、少しでも人より多く練習しようと心掛けたそうです。

それまでの君原氏は、「人間の日々の努力は、せいぜい紙一枚くらいの厚みしかない」と思っていましたが、「それを積み重ねると紙も本になる」と努力の成果を感じたそうです。

君原氏が中学2年からの10年間で走った総距離は、4万キロにもなるそうです。それは、地球を一周する距離に値します。小さな目標から達成感を積み重ね、大きな目標を掲げ、一生懸命、努力し続けた君原氏に感心しました。

第106回 水力発電が日本を救う

先日、標記の本のダイジェスト文を読みました。

現在、日本のダムは、満水の約半分しか水を貯めないようにしているそうです。これは、「特定多目的ダム法」という法律に沿って、「水の利用」と「洪水の予防」という、矛盾する2つの目的を満たすための折衷案なのだそうです。そこで、この貯水量を増やすようにすれば、今のままのダムの数で、水力発電量を増やすことができます。

また、日本は地震国にもかかわらず、これまで一度もダムが壊れたことがないそうです。それは、鉄筋が錆びてコンクリートがもろくならないように、ダムには鉄筋を通していないからだそうです。また、地震の揺れに強いように、基礎と岩盤を一体化させているそうです。さらに、たとえ兵器を使っても壊せないように、壁の厚みを数十~二百m以上にしているそうです。以上のことから、日本のダムは半永久的に壊れないとのことです。

ダムの貯水量を増やす別の方法としては、「嵩(かさ)上げ」という方法もあるそうです。ダム湖は、シャンパングラスのように底の方ほど面積が狭く、上の方ほど面積が広いので、仮に、高さ100mのダムを10m高くすれば、容積は約33%増え、発電量は約70%も増えるそうです。

この「嵩上げ」と前述の運用を変更することによって、現在の所、少なくとも約1000億kWhの電力量が増やすことができるそうです。この増加分を電力料金にすると、年間で約2兆円にもあたるそうです。

発電量を増やすには、原発の再稼働という手もありますが、このような方法もあると知って、「目から鱗・・・」でした。

第105回 「老い」のサイン

落語家の三笑亭夢之助さんの文章を読みました。氏曰く、「芸人たるもの、老けてはいけない」とのことです。では、「老ける」とはどういうことでしょうか。

それは「観る」「聴く」「嗅ぐ」「味わう」「触れる」といった五感に、ほこりがかぶってくることだそうです。

俳優の高倉健さんは、自宅に大きなスクリーンと3千本ものビデオを持っていて、絶えずそれを観て、「観る感覚」を高めていたそうです。また、「味わう」感覚にも積極的で、「うまいラーメン屋がある」と聞くと、タクシー代を何千円使ってでもそこに行くなどしたそうです。

「老いてくる」といろいろなことが面倒臭くなってきます。また、日常の習慣を変えたり、新しいことに挑戦することも少なくなります。そうすると段々、五感が鈍くなってきます。このようなことを知って、私はコンサートに行ったり、めずらしい物を食べたり、旅行に行っていろいろな体験をしたりすることを、ますます意識していこうと思いました。

第104回 人工知能の進化

これからの人工知能(AI)はどのように進化していくのでしょうか。コンピューターが人間の頭脳を超えるのではないか、などと懸念する人もいますが、それもありうることのように思います。またAIの進化により、なくなっていく職業もあることでしょう。

サンフランシスコでは、運賃の安いウーバー(配車サービス)がタクシーの売上を上回っているそうです。さらにそれが広がると、自家用車に乗る人が減り、車は売れなくなります。またさらに進んで、AIの進化から自動運転の車が増えると、タクシーの運転者すら不要になり、タクシードライバーという職業がなくなるかも知れません。

これからはどのような世界になっていくのか、とても楽しみでもあり、不安でもありますが、どのような時代にも生き抜いていけるような教育が大切に思います。教育業界にもAIはどんどん利用されていくことでしょう。塾の講師は、「生徒にいかにヤル気を起こすか」などのメンタル面のサポートを強化していくことも大切なように思います。

第103回 最終を考えて契約することの大切さ

先日、私共では不要になったある賃貸物件を返却したのですが、その際に、家主さんと若干の話の食い違いが生じてしまいました。それは、どのような状態にして返却するのかということが、契約書にきちんと書かれていなかったことが原因でした。

新しい仕事や契約の際には、うまくいくことやスタートの善し悪しだけで判断してしまいがちです。しかし、それと同時に、最終の着地点、つまりうまくいかなかった時はどう処理するかとか、契約終了時の条件はどうか、なども考慮に入れることも大切です。今後、同じような場面があったときは、今回の教訓を生かそうと思いました。

第102回 最強の経営法

世の中の景気はあまり良いとは言えないようですが、流行っているお店や会社は元気なようです。例えば、家内が通っている美容院がそうです。そこは一人一人のお客のライフスタイルに合わせて、髪をカットしてくれるそうです。

家内の場合は、仕事上の必要から髪を後ろにあげてまとめています。普通のカットだと、時間が経つと髪がばらけてしまうそうです。ところが、そこではその場面を想定して髪をカットしてくれるので、とても髪がまとめやすく、そのため他の店に変える気にはならないとのことです。また、その店では週休二日制にして、そのうちの一日を研修日として技術の向上に余念がないそうです。

「お店や商品を他のものに変えようとしても、替わりがないし、変えようがない」というようなものを作り出すことは最強の経営法でしょう。そんな会社を是非、目指したいものです。

第101回 あるタクシー会社の革新

京都の紅葉も近づき、観光客も増えてきました。この時、我々京都人が困るのは、タクシーの予約などです。季節や時間帯によって、タクシー会社に何回電話しても話し中ばかりということが、よく起こります。

京都の代表的なタクシー会社には、安くて礼儀正しいM社や、老舗のY社などがあります。先日、久々にタクシーを呼ぼうとY社に電話したところ、相変わらず話し中でした。次にM社に電話すると、その対応は通販会社が採用しているような自動応答システムに変わっていました。さらに、「電話がつながるまでの料金は不要です」とのメッセージが流れました。

京都に住む多くの人は、私と同じような不便さを感じていたことでしょう。その声なき声を汲み取り、予約に際し、自動応答システムをいち早く取り入れたM社は立派だと思いました。これをきっかけに「タクシーの予約は真っ先にM社に頼む」という人が増えていくことでしょう。「経営のコツは、絶え間ない改善の連続」ということの大切さを感じました。

第100回 「鯖や」のこだわり

大阪府豊中市に本社がある「鯖や」は、大阪、京都、東京、神戸など十数の店舗をもち、サバを専門に販売しています。

今、日本のサバの漁獲量は、1985年頃に比べると、6割近くに減っています。しかも、中国などの漁船が公海上での水揚げ量を増やしているため、最近では小ぶりのサバしか出回りません。

そんな中、「鯖や」は東北近海で捕れた脂の乗ったサバを「とろサバ」として販売するなど、サバに特化したビジネスをしています。「鯖や」は徹底的に「サバ」にこだわり、ランチタイムの営業時間開始を11時38(サバ)分、閉店時間は23時38分、店によっては座席数まで38席だそうです。

また、「鯖や」はサバの養殖にも熱心で、地下深くから汲み上げた海水を使い、卵から養殖しているそうです。このようにすると、寄生虫がつかないサバができるため、普通のサバでは実現不可能なサバの刺身まで食べられるそうです。また、「鯖や」は鯖の畜養にも挑戦しています。つまり、捕れた小ぶりのサバを専用のいけすで大きく育て、それを販売するという方法です。

このような、サバ一筋の「鯖や」の経営方針を知り、とても刺激になりました。

第99回 ハーツレンタカーの凄さ

日本では、空港などでレンタカーを借りる際には、まず空港まで迎えの車が来ます。そして、その飛行機に乗っている人でレンタカーを借りる人が全員揃ったところでその車が発車し、レンタカー事務所に向かいます。事務所に着くと、免許証の提示や、書類の作成があり、またそこで時間が費やされます。そして最後に車の傷がどこにあるかなどの確認があり、やっと車が借りられます。ここに至るまで、最低でも30分は必要です。

一方、ハーツレンタカーの顧客がレンタカーを借りるときの手順は次の通りだそうです。
(1)飛行機から降りたら、レンタカー事務所に寄ることもなく、駐車場脇の電光掲示板で、自分の名前と駐車場番号を確認する。
(2)そこに行くと、鍵付きの車が用意されているので、エンジンをかけ、専用ゲートで係員に免許証を見せる。

たったこの2つだけだそうです。これは、優良顧客専用の「ハーツGoldプラス・リワーズ」というシステムです。顧客は氏名、生年月日、運転免許証、クレジットカード番号の4つの情報を登録しておくだけです。そうすれば、世界147カ国、約8100ヶ所でこのような便利なシステムが利用できるそうです。

レンタカーサービスで顧客が本当に喜ぶのは、車種の拡充でも低料金化でもなく、貸し出し手続きの簡素化にあるようです。このように、「顧客がその会社から離れたくても離れられない工夫をする」ことの大切さを感じました。