第14回 隅田川の桜

「春のうららの隅田川・・・」と歌にも歌われた隅田川は、その堤防に植えられた桜も有名です。
私は今、理科の教材の編集で大わらわですが、新しい教科書の中のコラムに、この隅田川の桜のことが載っていて、とてもその内容に興味を覚えました。

この隅田川の堤防に桜を植えることを提示したのは、徳川第8代将軍吉宗です。一体なぜ将軍がそんな指示を出したのでしょうか。
庶民に楽しみを与えようとしたり、また、風流な心からそうしたのでしょうか。

それは何と「防火」のためだそうです。
隅田川の堤防に桜を植えると、春には桜を見にたくさんの人が訪れます。すると、その人々が堤防を踏み固めることで、堤防が丈夫になります。吉宗はそれを狙って桜を植えたそうです。
大きな機械もない時代のこと、先人の智恵には驚かされます。

第13回 いっこく堂さん

いっこく堂さんは、腹話術で有名です。彼は中学生の頃、婦人警官が人形を使って「横断歩道は手を上げて渡ろうね。」と、腹話術をやっているのを見たのが、その道に入ったきっかけだそうです。そして、図書館で本を借りて勉強するなどして、それを独学でマスターしていったそうです。

腹話術では、「まみむめも」「ぱぴぷぺぽ」などの破裂音の発音は、不可能とされてきました。しかし彼は、舌を口の中で伸ばし、上唇の裏側に付けて、それを下唇の代わりにするという方法で、不可能を可能にしたそうです。

私は「打つ手は無限」という言葉が大好きですが、彼のこの工夫はまさにその言葉にぴったりだと感じました。

第12回 マイナンバーは「ナンマイダ」か?

もう皆さんのところにはマイナンバーは来ていますか?私のところにはまだ来ていませんが、マイナンバーの制度についてとても気になるので、「入門マイナンバーの落とし穴」という本を読んでみました。

マイナンバーについては、内閣府が設けるコールセンターに8月末で1日2千件を超える問い合わせがあるなど、ようやく関心がもたれてきたようです。

あるIT企業の社長は「これはアベノミクスの第4の矢だ」と言って、これからのマイナンバー特需に期待する向きもあるようです。また、マイナンバーの情報漏洩についての保険も生まれているようです。マイナンバーに関する国民の一番の関心事は、2016年1月から始まる確定申告など、税務の手続きでマイナンバーの記入が求められたり、所得や資産が丸はだかになったりすることでしょう。

マイナンバーを記入しない場合罰則はありませんが、しつこくその理由を聞かれたり、それを記入しなかった人がマークされる恐れはあり、今後どんどんとその適用範囲が広がることは充分あるようです。また会社に内緒で副業を持っている人などについては、それが露見する可能性は、より高まることになりそうです。また、何らかの理由で仮名などを使って生活をしている人なども、それが露見したりして、息苦しい世の中になっていくことも考えられます。

このマイナンバー制度は、全ての法人に対して13ケタの「法人番号」も導入されるようです。この制度によって、厚生年金などの社会保険に入っていない民間事業所などがあぶり出されるとすると、過去2年にさかのぼり、多額の社会保険料を徴収される可能性もあります。そうすると、場合によっては、そのお金を払いきれず、倒産するところも出てくるかも知れません。

また、怖いのは個人情報の流出や、なりすまし犯罪のようです。マイナンバー制度のように、一つの番号を広く利用しているのは米国、韓国、スウェーデンなどですが、世界的に見るとこのシステムは時代遅れで、利用国は前述のような流出や犯罪に頭を悩まし、その社会的コストも多額にのぼるようです。この本を読んで、「これからは何かとても怖い世の中になりそうだ」と感じました。マイナンバーについては、もっと本などを読んで調べていく必要性も感じました。

第11回 命のビザ②

自分や家族の命と引きかえに、ビザの発給を決断した氏の心境はいかばかりだったでしょう。
氏は、領事館の閉鎖が迫る中、一日平均300人のビザを書き続けました。そのビザの実物がこれです。(写真はこちら:http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20140917viza.html )
単にポンとハンコを押したものではありません。ご覧のように、日本語でビッシリ書き込まれたものです。

これを寝食を忘れて書き続けたのですから、大変です。すぐに万年筆のペン先は折れ、指に豆をつくり、腕の痛みをこらえながら書き続けたそうです。更に領事館の閉鎖後も、市内のホテルやベルリンに向かう列車の中でも、書き続けました。

杉原ビザを持ったユダヤ人は、ロシアのウラジオストクを経て、敦賀に上陸しました。そして日本を経由して、アメリカなどに渡って行きました。氏の救ったユダヤ人の数はおよそ6千人にも上るとのことです。

氏は戦後、民間の貿易商社に勤めていたそうですが、命を救われたユダヤ人たちが、八方手を尽くして、氏を探し出し、感謝の意を述べたそうです。私はこの話を知り、とても感動しました。

第10回 命のビザ①

皆さんは「杉原千畝」という方をご存知のことと思います。氏は1900年生まれで、1940年に現リトアニアにあるカウナスの日本領事館の領事代理を務めていました。そのころは、ナチスが領土拡大を続けていた頃で、ユダヤ人は追害を受け、どんどん追い詰められていきました。

1940年7月18日に、ユダヤ人難民たちはナチスからの魔手から逃れるために、カウナスの日本領事館に、ロシアから日本を通過し、アメリカなどに渡るための通過ビザを求めて押し寄せました。氏は、ビザ発給の許可を外務省に求めましたが、拒否されました。

それはその当時、日本はドイツと手を結んでいたからです。もし、氏が勝手にビザを発給すれば、氏はもとより、氏の家族の命も危ぶまれます。しかし、目の前でビザを求める何百、何千というユダヤ人を見殺しにすることもできません。ここで悩み苦しんだ氏の決断は、外務省に背いてビザを発給することでした。

第9回  ハイレベルな地域文化

先日、母に会いに静岡県の三島市に行きました。そのとき、たまたま入った喫茶店で面白い掲示物を見かけました。それは次のようなものです。
(写真はこちら: http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20151101/html)

皆さんは、これは何だとお思いですか。これは三島市内などで流行している「はめ文字」というものです。5×5のマス目の縦横の中央にお題の言葉が入り、その他のマス目に適当な言葉を入れ、川柳のようなものを作るという「言葉遊び」です。

三島市内には、この「はめ文字」を楽しむ人々のサークルがいくつかあるようです。そして月に1度とか、新しいお題が出て、会員はそれに投稿して楽しんでいるようです。
私はこれを知って、三島市の人々の知的レベルの高さと、日本語の奥深さを感じました。

このような「遊び」は、ひらがなや漢字を使うという日本語以外では不可能だと感じます。また、このような知的な文化を楽しめるという風土も、日本民族ならではではないでしょうか。
この「はめ文字」の文化を知り、平安時代から続く「歌会」などの日本文化が、三島という地方都市でも脈々と受け継がれていることに強い感動を覚えました。

第8回 遺伝子組み換え(GM)作物

今、じわじわとGM作物が増えています。皆さんはGM作物の仕組みをご存知ですか。例えば大豆の遺伝子を組み換えると、ある農薬には負けない品種ができます。その大豆を育てる際に雑草が生えてきたとしたら、その農薬をまくのです。そうすると、雑草は枯れてもGM作物は枯れません。

こうすれば、全く手間をかけずに大量の大豆を収穫できます。まるで夢のような話ですが、現実は深刻です。何年かすると、その農薬に耐える雑草が生まれ、農薬の効き目が薄れてきます。すると、さらに強い農薬をまいたりと、イタチごっこが始まります。

そしてGM作物には、もっと恐ろしい問題が潜んでいます。それは、実った作物から種はとれないように、遺伝子が組み換えられているということです。

農家はM社などの大企業から毎年、種と農薬をセットで買い続けねばならないということです。 今、世界中でこのような事態が広がっています。 GM作物の安全性にも疑問があるようです。アメリカでは、家庭菜園まで規制されるような動きもあるようです。何か恐ろしい世の中になっていくようで、一抹の不安を感じます。