第92回 「弥生時代3990回」とは何の数字?

鎌倉時代2645回、江戸時代1465回、そして現代620回。これらの数字は何を示すものかご存知ですか。

正解は「1回の食事あたりの噛む回数」です。

御承知のように、現代人はハンバーグやスパゲッティなど、軟らかいものを好んで食べるようになっています。また、忙しいビジネスパーソンなどは、掻き込むようにして食事し、すぐまた仕事をするなどの生活を送っています。それらの結果がこれで、現代人の噛む回数は、弥生時代の人々の6分の1となっているようです。

皆さんは、一口あたり何回噛んでいるでしょうか。日本咀嚼学会では、一口およそ30回、一食当たり1500回噛んで食べることを勧めています。私もある本で噛むことの大切さを知り、一口につき50回噛むようにしています。こうすると、食事の時間はかかりますが、唾液も良く出て、胃の負担も軽くなり、消化吸収も良くなります。

このような習慣を身につけるためのポイントは、2つです。1つ目は、口に食べ物を入れたらすぐに箸を置くことです。こうすると、噛んでいる最中に次の食物を口に入れるのを防げます。2つ目は、回数を数える習慣をつけることです。これらは、面倒なことかも知れませんが、興味をお持ちの方は試してみて下さい。私はこの習慣を身につけてから、体調がとても良くなったと感じています。

第91回 体にいい人、悪い人

産婦人科医師で、日本笑い学会副会長もされている、昇 幹夫氏の文章を読みました。それによると、がんの原因の2割は「頑張りすぎ」だそうです。それらの人は、睡眠時間を削った生活をしたり、過労気味な人が多いとのことです。

がん細胞は、体の各部の細胞が分裂するとき、「ミスコピー」されてできます。そのがん細胞を消していくのがNK(ナチュラルキラー)細胞で、これが活性化しているとがんになりにくいと言えます。

ところで、人間の免疫力は20才を100とすると、40才で50、60才で25に半減するのだそうです。そのため、年齢がいくとがんができやすいということになります。

免疫力を活性化させる方法の一つは、「笑うこと」だそうです。そして、お互いに「体にいい人」になることだそうです。「体にいい人」とは、一緒にいて元気になれる人のことです。これを聞いて、私もますますまわりを明るくするよう、努力しようと思いました。

第90回 観察力の大切さ

野菜を栽培していて、つくづく感じることがあります。それは観察力の大切さです。例えば、朝見た時には何ともなかったモロヘイヤの苗が、昼間に見ると、茎の根元から見事に切られたことがありました。もしこれを見落としてしまうと、他の苗も次々にこれと同じ運命をたどることになります。

一体これはどうしたことかと、切られた苗のまわりの土を探ると、2㎝くらいの茶色いイモ虫が出てきました。根切り虫です。この虫が苗の葉を食べたり、茎を切ったりしてしまうのです。慌てて捕殺し、それ以外にもいないか、他の場所も探ります。このような地道な観察をするかしないかで、野菜の収穫が変わってきます。

また、野菜を育てるにあたっては、「葉の色」の観察も大切です。一般的に、葉の色が濃い緑色になった場合は、肥料の与えすぎで、薄い場合はその反対です。例えば、トマトでは肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりがどんどん太り、ちっとも実がなりません。私は、「肥料さえたくさん与えれば、大きな実ができる」と考えていましたが、それは大きな間違いでした。

苗の育ち初めの肥料を少なくすると、トマトの苗は「早く実をつけ、次の世代のために子孫を残さねば!」と危機感を感じ、早く実をつけるそうです。その時点で初めて追加の肥料を与え、できた実を太らせるのがいいようです。このトマトの育て方は、人間の子どもの教育とも似ていて、とても興味深く感じられました。

第89回 これからの社会

今,上海では流しているタクシーに手を挙げても,止まってくれないということをご存知ですか。これは,昔の乗車拒否とは違います。タクシーに乗るには,スマホで予約しないと乗れないようになっているからです。これは,中国に限らず全世界に広まっています。

その中心となる会社が,世界数十カ国で事業を展開しているUBER(ウーバー)です。街中でタクシーに乗りたいと思ったら,スマホでウーバーのアプリを開きます。すると,地図上に乗車可能な車の位置が表示されるので,そのタクシーを呼ぶのです。

目的地に着くと,料金はクレジットカードで自動的に引き落とされます。その時に,領収書とともに「運転手の5段階評価」を求められます。この評価が低いと,だんだん配車のオファーを受けられなくなるそうです。また,乗客も運転手から評価を受けるそうで,悪質な客は排除される仕組みだそうです。

さらに,このシステムは個人のドライバーにまで広がっているそうです。つまり,「白タク」です。お金の支払い方法や運転手の評価方法などの仕組みが普通の白タクとは違うので,トラブルも少なくなるとのことです。またこの料金は,普通のタクシー運賃より安いとのことで,ドライバーにも乗客にも好評だそうです。

しかし,このシステムが日本で実施されると,タクシー業界は困ってしまうので,まだ日本では認められていないそうです。このような試みは,個人が外国人に宿泊のための部屋を貸すなどの仕組みにも広がっているようです。このような仕組みがどんどん発展すると,これからの社会は大きく変わることでしょう。楽しみでもあり,少し怖い気もします。

第88回 多摩川の不思議

多摩川は川崎市を流れる大きな川です。今から30年ほど前は、人々が流す下水の水で汚れていて、とても汚い川だったそうです。それが今では、アユもいっぱい上ってくる綺麗な川になっています。その秘密は一体どこにあるのでしょうか。

多摩川の源流は山梨県の笠取山です。その水が奥多摩湖に集まり、青梅市(東京都)の辺りを流れています。その下流の羽村市には小さなダムがあり、その水は全部家庭用の水道水として使われてしまうそうです。つまり、そこで多摩川の水は一旦消えることになります。

では、川崎市を流れる多摩川の水は一体どこから来ているのでしょうか。それは下水処理場からだそうです。周辺の家庭で使われた水は、全てマンホールを伝って下水に集められ、そこで綺麗になった水を多摩川に放流するそうです。下水にやってくる最初の水は、猛烈に臭いそうです。その水も下水で処理されると、飲んでも大丈夫なくらいになるそうです。

下水が一番困るのは、あたたかい水だそうです。そのため、お風呂のお湯は、お風呂を使い終わったらすぐに流すのでなく、一晩おいて冷ましてから流すのが環境に良いそうです。
環境保持のため、せめてそれくらいの協力は皆でしたいものですね。下水は縁の下の力持ち的な役割を果たしているのですね。

第87回 わずか10㎡の不思議な服売り場

東京スカイツリーの中にある東京ソラマチ2Fの「アーバンリサーチ」という不思議なお店をご存知ですか。このお店は服屋さんなのですが,服は一着も置いていません。

その代わりに,高さ180㎝ほどの大型液晶モニターがあります。お客が着てみたい服を選ぶと,カメラとセンサーがお客の体型を読み取り,自分に合うサイズの服を自動的に選んで画面に映し出してくれます。

このような仕組みですから,お客は服を着たり脱いだりする手間もなく,試着できるそうです。そして,その服が気に入ったら,その場で同社の電子商取引サイトにアクセスして注文ができるそうです。

私はこのシステムを知って,「これなら在庫リスクも減らせ,都心の高賃料の場所にも出店できるだろう。すごい仕組みを作ったものだ」ととても感心しました。

第86回 ハイテクなブラックバス釣り

私の知人に、釣りが大好きなK君という人がいます。先日、K君の案内で海釣りに連れて行ってもらいました。
海に向かうまでの道中で、K君が琵琶湖でやっているブラックバス釣りの様子を聞かせてもらい、そのハイテクぶりに驚きました。

琵琶湖での本格的なブラックバス釣りは、釣り船を使って行います。K君の友人に釣船を持っている人がいて、K君は時々、その船に乗せてもらってブラックバス釣りをするそうです。まず、彼らはブラックバスの潜むであろうポイントまで船で近付きます。ブラックバスは賢い魚なので、エンジン音や碇を投下する音を聞くと、警戒して食いつかないそうです。そこで、船はエンジンを止めてそうっとポイントまで近付き、そこからルアーを投げます。もちろん、そこで碇を下ろすことはしません。

ここで大きな問題が生じます。琵琶湖は湖だとは言え、風や水の流れの影響もあり、知らず知らずのうちに船がポイントからずれていってしまいます。そこで、それを修正するために船の先に電池で動かすモーター付きの小さな舵がついています。釣り人は足先でその舵を上手に操り、絶えず最高のポイントに留まれるよう、調整するのです。

その話をきいて、まず私はブラックバス釣りの大変さを知りました。手を使ってルアーを投げ、魚を釣る操作をするだけでなく、それとともに足を使って船を操縦するなんて、何と大変なことでしょう。しかし、彼らにとってはそれが面白いとのことで、そのようなブラックバスとの知恵比べがブラックバス釣りの醍醐味のようです。

そして、さらに驚くことを聞きました。それは、最近では船のへさきに付いている電池式モーターとGPSがドッキングして、ポイントをセットすると、その装置が自動でそのポイントをホールドしてくれるのだそうです。ブラックバス釣りは何とハイテクな釣りかということを初めて知りました。ただし、そのフル装備をした船の値段は数百万円もするそうです。さらに、その船はどこかのマリーナに係留してもらうわけですから、月々の係留費もかかります。船で行うハイテクなブラックバス釣りは、面白いと同時にとてもお金がかかる趣味のようです。

第85回 鉄砲の伝来②

時の島主種子島時堯は、これに金2千両(現在のお金に直すと約2千万円)を投じて買い求めました。そして、種子島在住の鍛冶職人 八板金兵衛清定にこの複製を作るよう、命じました。もともと種子島は良質の砂鉄が採れるところだったため、鍛冶の技術が発達していた土地でした。そのことも鉄砲の複製の完成に寄与したようです。

清定は,何とこの複製を2年で完成させました。この時、清定が一番苦労したのはどの部分だったかご存知ですか。パイプ状になった銃身の底の部分です。その部分には火薬が込められ、爆発する時に一番負荷がかかるところです。

その部分をいい加減に作ると、引き金を引いたとき銃身ごと吹き飛んでしまい、発射した人が大ケガをしてしまいます。その部分はそれほど大切なところなのです。その部分には何と、ネジの技術が使われていたのです。

清定はここで行き詰まったのです。その当時の日本にはネジの技術はもとより、ネジという概念すらなかったのです。ここで悩んだ清定は、自分の娘である若狭(わかさ)をポルトガル人の職人と結婚させることで、その技術を教わった、などの伝説も残っています。

何はともあれ、鉄砲の複製は2年で完成しました。そしてその後、鉄砲は瞬く間に堺や国友などの地で何百丁と作られ、長篠の合戦(1575年)などで活躍します。鉄砲の伝来からたった30年でここまで鉄砲が作られ、使われた例は世界中に日本しかないそうで、日本人の技術の優秀さが感じられます。

第84回 鉄砲の伝来①

今、私は色々と歴史を勉強しながら社会の教材を作っています。歴史を紐解いてゆくと、色々と面白い史実にぶつかります。

1つの例が鉄砲の伝来です。教科書によると、鉄砲の伝来は1543年に、種子島に倭寇の船がたまたま漂着し、そこに乗っていたポルトガル人によって、伝えられたとあります。

この頃の日本は、戦国時代です。また、ヨーロッパでは大航海時代で、アジアやアメリカを目指してヨーロッパ人がどんどん進出していました。倭寇やポルトガル人は、日本の現状にも詳しく、「こんな時代だから日本人に鉄砲を見せれば飛びつくに違いない」と思っても不思議ではありません。

そのような背景から、ポルトガル人の乗った倭寇の船はたまたま漂着したのではなく、鉄砲などを売る目的で日本を目指していたとも言われています。ちなみに、私はこちらの説の方が納得がいくと感じています。

さて、ポルトガル人が上陸してからどうなったでしょうか。