第232回 言葉をもたない子ども達

私は先日、石川教育研究所 代表 石川幸夫氏の文章を読みました。そこには、私が危惧している、現代の子ども達のある傾向が報告されていました。

それは、最近の子ども達には「言葉をもたない子が多い」ということです。氏は教育評論家として有名で、ご自身で塾も経営されています。そこで氏は、その塾生である小学校高学年から中学2年までの、約100人について、言葉の調査を行ったそうです。すると、子ども達が最も多く使う言葉は「疲れた」で、次に「普通」、その他には「ださい」「意味わかんない」「知らない」などが続くそうです。

一昔前までの子どもなら、何事に対しても好奇心一杯で「疲れ」などという言葉とは無縁だったことでしょう。一体なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

氏は真っ先に「スマホの影響」を挙げておられました。私自身は、幼児期には絵本の読み聞かせがとても大事であると思っています。そして、今も多くの保護者はそれを実行されているだろうと思っていました。しかし、それは違うようです。最近の親は、子ども達にスマホによる幼児動画を与えているようです。これでは、子ども達を一日中テレビ漬けにしていることと変わらないでしょう。そこには脳の機能を高める五感への刺激もないことでしょう。今の子ども達の「感動する心」「物事を深く考える力」などが衰えているとしたら、それはスマホの普及も悪影響を及ぼしているのかもしれません。充分な配慮が必要なようです。

第231回 「『勉強が苦手な子』と『得意な子』の決定的な差」

私は先日、「『勉強が苦手な子』と『得意な子』の決定的な差」について、精神科医・作家である樺沢紫苑氏の文章を読み、なるほどと思いました。

皆様も既に納得されていることと存じますが、勉強で成果を出すポイントは、インプット3、アウトプット7の割合だそうです。勉強でいうなら、教科書を読むのがインプット、問題集を解いたり、理解した内容を友人に説明したりするのがアウトプットになります。また、本を読むにしても「書き込み」をしたり、アンダーラインを引きながら読むだけで、脳幹網様体賦活系というところが活性化され、脳への定着が良くなるそうです。

また、ロンドン大学の研究では、あるものを暗記してもらう実験を、次の2つのグループに分けて行った結果が出ているそうです。1つのグループには「これが終わった後にテストをしますので暗記して下さい」と言います。もう1つのグループには「これが終わった後に他の人に教えてもらいますので、ちゃんと記憶しておいて下さい」と言います。この実験では、後者のグループの方が高い点をとったそうです。

塾内においても、このような方式がとれると面白いだろうなと感じました。
氏は「学びを結果に変えるアウトプット大全」という本を出されているようです。私はそれをまだ読んでいないので、取り寄せて読んで見ようと思っています。

第230回 春の庭

私の小さな庭のレタスやホウレンソウなどの野菜は冬を越し、毎日の食卓に色を添えています。特に去年の秋に種を蒔いたエンドウは、一冬を超して、ようやく今頃収穫の時期を迎えます。それだけに、それを食べる喜びもひとしおです。

ちなみに、これがスナックエンドウの花です。
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http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20190426-1.html

また、こちらは絹さやエンドウの花です。
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これらの花が咲き終わると、いよいよ実がなります。

こちらが今朝収穫した絹さやエンドウです。
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http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20190426-3.html
茹でるとシャキシャキした歯ごたえで、ほんのり甘く、とてもおいしくいただけます。

エンドウの育成は、秋、冬、春と約8~9ヶ月の期間にわたります。その間に根元の葉は、虫やウドンコ病にやられたりします。しかし、上の方の若い葉はそのような苦難にもめげず、ぐんぐん成長し、やがて花を咲かせ、実をつけます。その生命力にはとても驚かされます。

八百屋さんやスーパーで買うエンドウもおいしいですが、自分で育てたエンドウには、そのようないろいろな想いがこもっています。それだけに、おいしさもひとしおなのかもしれません。

5月の連休には、キュウリ、トマト、レタス、バジル、モロヘイヤ、ホウレンソウなどの植え付けをしました。またそれらが夏の食卓を賑わせてくれることでしょう。それらの野菜は、プランターでも育てることができます。野菜作りは心も癒やされ、作った野菜も栄養満点です。皆様もいかがですか。

第229回 全てが変わる5Gインパクト

4月15日発行の『日経ビジネス』に、表題のような特集記事が載っていました。これを読んでいると、「もし全世界に5Gが普及すると、ビックリするような生活の変化が起きるのではないか」
と感じました。今年の4月1日から5日まで、ドイツで開かれた世界最大級の産業器機見本市「ハノーバーメッセ」では、今年のテーマは5Gだったそうです。

5Gの通信速度は、現在の4Gの20~100倍と言われ、例えば4Gで約5分かかっていた2時間程度の映画のダウンロードが、5Gではたった3秒で済むそうです。このような利点があるため、5Gを利用すれば、自動運転や遠隔地からの操縦、そしてリアルタイムの手術などが可能になるようです。日本では、2020年くらいからスマホ向けのサービスが始まるようです。このサービスでは、例えばプロ野球の試合で、スタジアムの臨場感を全方位のVR(仮想現実)で体験できたりするそうです。また、ゆくゆくは「車の予約をしてからしばらくすると、玄関前に車が止まる。そして、そのドアが自動で開き、家族全員が乗り込むと、そこはまるでリビングルーム。各自がその中で食事をしたり、本を読んだりしているうちに、目的地に着く」などの世界が現実化するかもしれません。正に夢のような世界が待っているようにも思われます。

しかし、そこには問題点や危険も潜んでいるのかもしれません。例えば、その5Gの発する電波は人間の体に害を及ぼしたりしないのか、などの危惧もあります。また、各個人のプライバシーは保たれるのか、などの不安もあるようです。

何はともあれ、これからの世の中は大きな変化が起こりそうです。先手先手でしっかり先のことを考えていきたいものです。

第228回 プログラミング教育

私は先日、コンピューターの専門学校で講師をされている方から、お話をお聞きしました。そのとき、私が最も知りたかったことは、「プログラミングを学ぶことは、どんな効用があるのか。そして、学力面にもプラスになるのか?」ということでした。プログラミング教育は今後、小学校の教科にもなり、注目を集めているものです。そして、今後いろいろなプログラミング教育ソフトが開発されたり、プログラミング教室が広がっていくことでしょう。

プログラミング教育というのは、習い事として価値があるものなのでしょうか。例えば、世の中には水泳、習字、ピアノなどいろいろな習い事がありますが、それを学んだからといって、全ての子どもが将来それぞれの習い事の先生となり、そこから収入を得られるようになるわけではありません。それを考えると、プログラミングを学んだからといって、それを学んだ全ての子どもたちがプログラマーやゲームの著者になれるわけではないとわかります。

では、プログラミング教育にはどんな利点があるのでしょうか。それについて、その講師の方は「プログラミング教育では、物事を論理的に考えていく力が身につくだろう」とおっしゃっていました。確かに、プロググラミングの学習では、ステップを1つでも飛ばすと、そのプログラムは動きません。その時点で生徒は「なぜ動かないのだろうか、どうすればこの問題を解決できるだろうか」と考え、その解決策を模索し、乗り越えていくことでしょう。そのような過程の中で、「考える力」や「ロジカルシンキング」が身につくようです。

優秀なプログラマーになるには、その学習を深めるだけでなく、それを他人に説明したり表現できるような豊かな国語力や、幅広い教養や、豊富な体験なども必須となるだろうと、話されていました。つまり、国語を使っての表現力に乏しい人や、浅い知識しかない人は、初めはうまくいっても、そのうち自然に淘汰されていってしまうだろうとのことです。

これからの世の中をたくましく生き抜いていくためには、専門的なスキルだけではなく、富士山の裾野のようなどっしりした教養や、豊かな体験を併せ持つことも大切なようです。

第227回 『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』

私は先日、表題の本を読みました。著者は高倉伸幸氏、出版社は毎日新聞出版です。氏は、組織再生や癌組織における血管研究のトップランナーの一人です。

私はこの本を読んで、「毛細血管の大切さ」を痛感しました。例えば、皆さんや身近な人の「見た目」において、次のような症状が出ている方はおられないでしょうか。
・以前より太りやすくなり、痩せづらくなった。
・抜け毛が多く、髪のボリュームがない。薄毛も気になる。
・シミやシワなど、肌のトラブルが増えた。
・化粧のノリが悪くなった。
・手の甲に血管が浮き出るようになった。
・爪が欠けやすくて、筋が入っている。
・とにかく、むくみが気になる。
・かかとなどにひび割れができやすい。
このような症状が出るのは、体の表面にある毛細血管がゴースト化している可能性が高いとのことです。ここで私が興味深く感じたのは、「毛細血管のゴースト化」という表現です。

氏は、この「毛細血管のゴースト化」をとてもわかりやすい例を挙げて説明しています。
▸それは次の通りです。
「毛細血管とは、道路で言えば国道や広い通りではなく、家の近所にある細い道のようなものだ。毛細血管がゴースト化するということは、家の近所を取り巻く細い道がゴミなどでふさがってしまい、家に届くべき宅配の荷物が届かなくなってしまったり、家から外へ出すべきゴミが出せなくなっているような状態だ」ということだそうです。つまり、「毛細血管のゴースト化」とは、住居で言えば、町全体がゴーストタウンのようになった状態と言えます。

そのような状態が体の各部で起きれば、むくみが出たり、太りやすくなったりします。また頭皮の部分で起きれば、抜け毛などが増えることになります。また、そのようになってしまった人は、いくら病状を改善するための薬を飲んだところで、家まで宅配便が届かないような状態のわけですから、それを根本的に直さない限り、効き目はないとのことです。

この説明で、私は「薬を飲んでも効きやすい人と効かない人がいるのは、そういうことだったのか」と合点がいきました。このことから、高齢になっても、健康を保つ最も大切なことは、「健全な毛細血管を維持する」ことであるとわかります。

では、もう既に毛細血管がゴースト化している人はどうしたら良いでしょうか。本書を読めば、その改善の方法がわかります。この「毛細血管のゴースト化」について気になる方は、本書を一読されたらいかがでしょうか。

第226回 『受験と進学の新常識』

先日、上記の本を読みました。著者はおおたとしまさ氏、出版社は新潮社です。この本を読むと、中学受験や高校受験の実状や、塾、予備校選びの注意点などがよくわかります。

また、東大合格への秘訣などが述べられていて、これから子どもにそのような進路を進ませたいと考えている保護者には、有益な情報であると感じました。また、面白い情報として「受験エリートでなくても医師になる方法」などが紹介されていました。これを知って、私は「なるほど、そんな道もあるのか。とても興味深い方法だ」と感じました。

また、大学入試改革の行方についての記述にも、興味深い意見が書かれていました。例えば、記述式の採点については、「いくら専門の業者でも、50万人分の答案を採点できるほど、専門の職員がいるとは考えられない。実際は、大量のアルバイトに採点させることになるだろう。それなら、記述式問題を出す意味は薄れてしまうのではないのか」などです。

詳しくは本書に譲るとして、今後の教育の流れなどがよくわかり、大変役に立つ本だと感じました。ご興味のある方は、是非ご一読下さい。

第225回 『人間関係の99%はことばで変わる!』

先日私は、上記の本を読みました。この本は、堀田秀吾著で青春出版社から発行されているものです。堀田氏は明治大学の教授で言語学博士です。内容はとても面白く、参考になるところや興味深いところがたくさんありました。

詳しくは本書に譲るとして、まず興味深かったのは、「言語が変わると見えている世界も変わる」ということです。例えば、私たちが英語を話すときは、身振り手振りまで英米人のようになることはよく経験することです。

さて、ここに2枚の絵があります。まず開いてみてください。

http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20190325.html

皆さんは,川端康成の小説『雪國』の「国境の長いトンネルを抜けると雪國であった」という文章から、その情景をAかBのどちらをイメージしますか。

Aは「トンネルの中から電車が出てきて雪国に入って行く様子を、空を飛んでいる鳥から見たような構図」の絵です。Bは「車窓の景色が真っ暗なトンネルから真っ白な雪国の景色に移り変わる様子」の絵です。

私は、この2つの絵を見たとたん、Bをイメージしました。そして、英米人であれ日本人であれ、それが当たり前だと思いました。ところが、ほとんどの英米人は、Aを選ぶそうです。私はこのようなことを知って、とても驚くと同時に、同じ人間同士とはいっても、お互いを理解し合う難しさを感じました。

第224回 最近の一部の若者考

私は先日、WEB関連の会社を運営している若手経営者と会食をしました。その方は、コンピューター関係の専門学校の講師もされており、その学校の生徒の実状などをお話し下さいまいした。
開口一番、「生徒たちの国語力は惨たんたる現状だ」とのことで、「読解力がなく文章を書けない生徒が非常に多く、授業を進めるのに支障をきたしている」そうです。

以前皆様にご紹介した『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の中で、著者の新井氏が危惧した状況が現実のものとなっているようです。また、彼らの日々の言動を観察していると、「自分の考えをもたず、またじっくり思考することをせず、有名なブロガーの言動に惑わされやすい」などの傾向も見られるそうです。

専門学校の生徒は、きちんと高校を卒業しているはずですし、一般的な常識も持ち合わせていることでしょう。それでも現状がそのようであるならば、日本のこれからは大丈夫だろうか、ととても不安に思いました。今までの「ゆとり教育」のつけが回ってきているのでしょうか。お話を深く聞き入れば聞き入るほど、このような時代だからこそ、「塾の役割」が、より重要になってくるだろう」と感じました。

第223回 学校の「当たり前」をやめた。

さて、私は先日、表題にある本を読みました。これは、千代田区立麹町中学校長の工藤勇一氏によって書かれたものです。氏は、かつて山形で教員をされていた方で、この中学校の校長になられて5年になります。氏は公立中学校の校長にもかかわらず、「服装頭髪指導を行わない」「宿題を出さない」「中間・期末テストの全廃」「固定担任制の廃止」などの方針を打ち出し、それを実現しています。

これらの方針は、単なる思いつきではなく、氏が教員や教育委員会での仕事の経験を通じ、ずっと考え続けてきたものだそうです。これらの根底にある考え方は、「学校は何のためにあるのか?」という問いに対し、「社会の中でよりよく生きていけるようにする機関である」との結論から出たものです。そのために、子どもたちに「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」つまり「自律する力」を身につけさせることを第一としているそうです。

例えば、運動会の開催についても、「生徒全員を楽しませる」というスローガンの下、企画・運営の全てを生徒に任せています。生徒は、このような体験を通じ、大人になったときにも役立つ「企画力」や「実行力」などの「自律する力」を身につけていきます。また、定期テストの廃止にしても、全て「自律する力を身につけさせる」というポリシーによるものです。そして、それらの革新の結果、以前に比べ、生徒の態度のみならず、学力も格段に向上しているそうです。

私はこの本を読んで、「定期テストはあって当たり前だ」などと、信じて疑わなかった自分の頭の固さをつくづく思い知らされました。何事においても大切なことは、「深く考えて、その本質を突き詰め、そしてその本質を具現するために、勇気をもって実行する」ことにあると感じました。塾の経営とは直接には関係ないかもしれませんが、ご興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。

余談ですが、「もし私が経営していた塾の近くの中学がこんな方針の中学に変わっていったとしたら、自塾の方針をどのようにしていくだろうか」などについても考えてしまいました。