第179回 「卍」は寺院を表す記号?

四月八日はお釈迦様の誕生日とされ、お寺ではその日に小さな仏像に甘茶などを注いで、洗い清めます。一般にはその日を「花まつり」と呼び、甘茶などがふるまわれます。

かつて日本は敬虔な仏教国家で、花まつりの日はとても重要でした。しかし今では、ケーキやプレゼントという楽しみがあるキリストの誕生日の方が、ずっと盛大です。これを見ても、日本とは何とも不思議な国だと感じます。

さて、地図では寺院を表す記号として「卍」が使われます。調べて見るとわかりますが、これは記号ではなく、れっきとした漢字です。最初、卍は古代インドの記号だったようですが、中国に伝わって、「吉祥万徳」の意味の漢字として使われるようになったとのことです。

身近なところにも、いろいろ興味深いものがあるものです。

第178回 ゆっくりお風呂に入りましょう

先日、新聞でおもしろい記事を見つけました。京大霊長類研究所のラファエラ・サユリ・タケシタ研究員らのチームが書いた論文です。

皆様は長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑の「温泉に入るサル」をご覧になったことはあるでしょうか。私は昔、京都から群馬の田舎に帰る途中、そこに寄ってそのサルたちを見たことがあります。何ともユーモラスな風景でした。

そのサルたちの種類は、ニホンザルです。ニホンザルは世界で最も北に住むサルで、そのサルたちが冬に頻繁に温泉に入るのは、「体を温めるのが目的」とされてきました。ところが今回の分析結果によると、それだけではないというのです。

研究チームは冬に入浴したサルとそうでないサルとを分け、その糞に含まれるストレスホルモンの濃度を観測しました。すると、入浴したサルの方が、その濃度が低いことがわかりました。また、入浴した猿の方が、春に子どもがよく生まれることもわかりました。

このことから、「サルの入浴は冬の寒さによるストレスを緩和し、繁殖や生存の可能性を高めている」という結果が得られたそうです。
私は毎日、風呂で半身浴をしながら20分くらいは読書をするのを習慣にしていますが、この結果を知って、ますますその習慣を続けようという気になりました。

第177回 ある結婚式に参加して感じたこと

私は先日、友人の息子さんの結婚式に出席しました。そこで驚いたことは、「いかに来場者にサプライズを与え、楽しんでもらうか」に徹していたことです。式場の中の至る所、例えばトイレの中にも、来場者への歓迎のメッセージが書かれた自分たちの前撮りの写真が飾られている、などです。披露宴も冒頭に「皆さん、今日は大いに楽しんで下さい」という新郎新婦の挨拶があったきりで、来賓の長々とした祝辞は一切ありませんでした。

また、披露宴の途中で、何か歌などの出し物はないのかな、と思っていると、最後の最後に沖縄の三線の歌い手さんが登場して盛り上げ、ついには皆一斉に立ち上がり、それに合わせて式場の周りを踊り回るなどのハプニングもありました。
これらのことを通じ、何事につけても自分たち中心でなく、いかに相手の気持ちを考え、喜んでもらうかという相手目線が大切であると、つくづくと感じました。

第176回 大徳寺納豆

前回は花粉症対策について書きましたが、今回はその続きです。

酒粕を食べるという花粉症対策について、知り合いのお医者さんにお話ししたところ、その先生から、とても興味深い話をお聞きしました。その先生は、このようにお話し下さいました。「鳥居さん、酒粕もいいけど、お酒の酵母は単一なので、その酒粕の酵母菌がその人の腸内細菌と合うかどうかはわからないよ。それよりもっとすごい発酵食品があるよ。

それは『大徳寺納豆』だ。これは何百という菌の集合体なので、その人の腸内細菌と合いやすく、お勧めだよ。」

大徳寺は私の家の近所ということもあり、早速それを買い求めに行きました。その納豆は、夏の間2ヶ月をかけて、じっくり発酵させてできるとのことで、見た目はウサギの糞を小さくしたような感じです。恐る恐る口に含んでみると、少し塩味がある何とも不思議な味で、癖になりそうな感じです。お店の人によると、それはお茶を飲むときにつまんでもいいし、料理の隠し味としても利用できるそうです。

その先生は、「花粉症対策として食べるなら、1日ほんの少量を摂ればいい」とおっしゃっていました。そこで私は、それを早速、朝晩食べることにしました。結果が出たら、またご報告します。

日本には、古くから伝わるいろいろな食べ物があるものですね。とても驚きました。この大徳寺納豆は、通販でも購入できるそうです。ご興味がおありの方は、是非ネットで調べてみて下さい。

第175回 花粉症対策

今年も日本全国、花粉がたくさん飛んでいるようです。そして、花粉症にお悩みの方もたくさんおられると存じます。私も去年まではひどい花粉症に悩まされていましたが、今年は大分ましになっています。一説によると、花粉症は腸の免疫力の乱れから起きるとされています。そのため、ヨーグルトや味噌などの発酵食品をよく摂り、大腸を整え、免疫力を正常にすると良いとのことです。

私の娘も去年までひどい花粉症に悩んでいましたが、今年からある食品を摂るようになってから、今年はその症状がまだ出ていないということを聞きました。そこで私も最近、その食品を摂ることを実行しています。果たしてそれが効いているのかどうかはわかりませんが、昨年に比べ、その症状が少しましであるのは事実です。それが気のせいかもしれませんし、人によってその効果はまちまちだとは思いますが。
 
その食品とは「酒粕」です。ただし、「酒粕」といっても、スーパーなどで売っている普通のものとは違い、酒の蔵元で直売しているような、アルコールなどの添加物が入っていない純粋なものが良いそうです。私はちょうど岐阜県に出かけた際、幹線道路から少し入ったところにある小さな蔵元を見つけ、そこで純米吟醸のお酒を絞るときに出た酒粕を手に入れました。その後、それを少しずつちぎり、朝晩サラダと共に食べています。

確かに、酒粕にはたくさんのミネラルや酵母菌などが入っているようで、腸の健康維持には良いようです。また、酒粕にはレジスタントプロテインというものが含まれ、癌抑制効果や生活習慣病予防、美肌作りなどにも効果があるようです。
ご興味をお持ちの方は、是非調べてみてください。

第174回 子どもたちの論理的思考力

今回は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』から、ある調査結果をご紹介します。この本の著者である新井紀子氏が所属する日本数学会は、2011年に「大学生数学基本調査」を行いました。それには、全国の48大学,6000人の大学生(主に1年生)が参加しました。大学生のレベルは、国公立S,A,Bと私立S,A,B,Cの7ランクです。

問題は5問で、例えば次のようなものです。偶数と奇数を足すと、答はどうなるか。次のうち、正しいものを選び、次にそうなる理由を説明しなさい。
(a)いつも必ず偶数になる。
(b)いつも必ず奇数になる。
(c)奇数にも偶数にもなる。
この問題の正答率は、34%にすぎなかったそうです。

答えの例とすると、次のようなものも多くありました。
・全部やってみたらそうだった。
・2+1=3,4+5=9のようだから。
・三角と三角を足したら四角になるのと同じで、四角と三角では四角にならないから。
この問題に対し、満足のいく答えを書けたものは、国立Sクラスの大学生のみで、他のクラスの解答は、惨たんたるものだった。

他の4問に対する解答の状況も、同様のようで、筆者は「どこの大学に入学出来るかは、学習量でも知識でも運でもない。論理的な読解と推論の力なのではないか。」と結論付けています。皆さんはこの結論に対して、いかがお考えでしょうか。

多くの塾では、保護者の期待に応えるため、定期テスト対策を強化し、日常の生徒の成績アップを重視しています。しかし私は、自塾生の大学入試のことや、その後の進路まで考えると、「論理的思考力の強化」のような「骨太の指導方針」を持った塾の存在も大切なような気がします。そのような方針を世の保護者に訴えかけ、賛同してもらうことは、大変なことかもしれませんが、AI時代をたくましく生き抜く子どもたちを育てるには、その力の育成が大切なように思います。

第173回「マグロ3切れ」の命

船越康弘氏の講演のダイジェスト文を読み、とても感動しました。以下、その内容を紹介します。

皆さんが赤身のマグロを3切れ食べたとします。そのマグロは生きるために、エサであるイワシを千匹食べます。その千匹のイワシは、生きるために、アミエビを5億匹食べます。そのアミエビはプランクトンを50兆食べます。そのプランクトンが生まれるためには、たくさんの海水、太陽の光、空気が関わっています。

ところで、その3切れのマグロのエネルギーによって生きられる私たちの命は、たった20分間だそうです。これを知ると、自然界に存在する雨,風,水,太陽の光,プランクトン,アミエビ,イワシなどの全てが、私たちの命を支えてくれていると感じます。それぞれの小さな生命が、命を投げ出して、「私」を生かしてくれているとも言えます。これを知って、私は「もっと自分の命を大切にしなければならない」と思いました。

第172回 醍醐寺の花見

3月最終の日曜日、京都は好天に恵まれました。普段の休日は、スポーツや庭の手入れが中心ですが、せっかく京都に住んでいるのだからと、醍醐寺の花見に行って来ました。
(写真はこちら:http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20180326.html)
醍醐寺の建立は、874年と大変古く、また、五重塔は応仁の乱の戦火を免れた京都府下最古の木造建築とのことで、全てにおいて歴史を感じさせられました。また、枝垂れ桜の木も大きくて立派で、豊臣秀吉の「醍醐の花見」に思いを馳せることが出来ました。

第171回 教科書が読めない子どもたち

私は最近、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』という本を読み、これからの社会の姿や子どもたちの現状を勉強しています。また、いろいろな塾の先生方に、今の子どもたちの様子を聞いています。

ある先生は、「最近の子どもは舌足らずで、教室でも『先生、寒い!』としか言わないんだよ。」と、話されていました。その言葉に対してその先生は、敢えて「寒い?だからどうしたん?」と答えるそうです。その先生は、「今の子どもたちは『先生、教室の温度が低くて寒いので、エアコンの温度を上げてくれませんか?』というきちんとした日本語が言えなくなっているのではないか」と憂慮されています。これに対する皆様の感想はいかがでしょうか。

前述の本を読んでいても、子どもたちの国語の読解力や表現力の低下が、数字として示されています。このような時代に、私はこれからの子どもたちにとって大切なことは、英語の4技能より「国語力」だと思っています。

今既に、オフラインの自動翻訳機が発達していて、旅行先でも日本語をその器機に向かって話しかければ、現地の言葉に直してくれる時代です。そんな時代において大切なことは、子どもたちが“I feel cold.”と英語でしゃべれるようにすることより、筋道立った日本語を使いこなせる人間に育て上げることではないでしょうか。

前述の本では、「Siri」に向かって、「この近くのイタリア料理店以外のレストランを教えて下さい。」という意地悪な質問をすると、対応できないと書いてありました。私も今、アイフォンに向かって同じ質問をしましたが、イタリアレストランしか表示されませんでした(笑)。私は、今の子どもたちもこのような傾向にあるような気がしています。つまり、文章の表面的なところしかとらえず、本質をじっくり考えないようになっているのではないか、ということです。皆様のお考えはいかがでしょうか。

第170回 緊張したときの対処法

私は先日、40歳を過ぎてもスキージャンプの現役として活躍している、葛西紀明氏の書いた『「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』という本を読みました。この本には、日常で実践できることがたくさん書いてあり、とても参考になりました。

私は若い時から、完璧主義で目標達成志向が強いという性格です。そのため、交感神経がいつも高ぶっている傾向にあります。葛西氏も、試合前などにはそのような傾向があるそうです。それを鎮め、バランスをとるために、独特な呼吸法を編み出しました。私にはとてもそれが参考になり、緊張する場面ではそれを思い出して実行するようにしています。

もし皆様が緊張した場面に遭遇したときは、大きく深呼吸してみましょう。それだけで心の持ち方が大きく変わることでしょう。