第182回 最近の若者の学力

先日、取引先金融機関の支店長と話す機会がありました。「今ちょうど新入社員の研修期間中なのだが、年々、新入社員のレベルが下がってきているので頭を悩ませている。」とのことでした。例えば、「100万円を○月○日から△月△日まで、日利○%で貸し付けた場合、その利息はいくらになるか、計算しなさい。」という問題の正答率がどんどん下がっているとのことです。

私共の教材である「割合はかせ」にしても、その教材を中学生や高校生に使わせているケースもあるので、その情報は「さもありなん」と思いました。その利息計算を間違う背景には、割合の計算が苦手であることだけでなく、もっと深いところにもあるようです。

例えば、「各月はそれぞれ何日あるか」などの基本的な知識です。私たちの世代は、その知識について「西向く士」などと言いながら覚えましたが、今の世代の子どもたちは、それがあいまいになっているのでしょうか。

今、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』という本が話題になっています。子どもたちの読解力や学力がどんどん下がっているとしたら、それは重大な問題です。また、それは「塾の出番がきた」とも言えます。私共では現在、読解力や論理的思考力を向上させる教材の開発に取り組んでいますが、それによって、少しでも子どもたちの学力アップに貢献できたらと思っています。

第181回 ブログ 「さ」いれことば

最近、大人の世界、特にビジネスの場において、「さ」入れことばが多く使われているように感じます。例えば、「部長、○○の件について報告させていただきます。」や、「本日はお先に失礼させていただきます。」のような感じです。私は、このような場面では、「○○の件について報告いたします。」や「お先に失礼します。」でよいのではないかと感じます。

さて、このような「さ」入れことばが多く使われるようになった背景は何なのでしょうか。私は、話し手の自信のなさや行き過ぎた謙譲の精神にあると思っています。確かに、相手に対してへりくだる態度をとったり、謙譲語を多く使ったりすれば、相手との摩擦は避けられます。しかし、そのようなことばを多用すると、文が回りくどくなり、かえって耳障りに聞こえます。

皆様は、この「さ」入れことばについて、どのようにお感じになっておられるでしょうか。

第180回 ツタンカーメンのエンドウ豆

京都では日増しに暖かくなり、私の家の庭の野菜たちも、グングン成長しています。
毎日畑から取れるホウレンソウ、カラシナ、ルッコラ、シロナなどの葉をミックスしたサラダは、とても重宝しています。最近は、パクチー(コリアンダー)も収穫しており、そのパンチのきいたにおいと味が、癖になってしまいました。

また、塀に沿って並べたプランターには、スナップエンドウと、知人からもらったツタンカーメンのエンドウ豆を植えています。去年の秋に発芽し、寒い冬を乗り切ったエンドウたちはようやく花を咲かせ、実も大きくなり始めています。
写真はこちら:http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20180423.html

薄紫色をした花が咲き、濃い紫色のさやをつけたエンドウ豆は、古代エジプトのツタンカーメン王の墓から出土した豆の子孫と言われています。三千年も大昔の豆がはたして生きていたのかどうかは不明ですが、何ともロマンを感じさせてくれる豆です。このエンドウ豆のさやは、濃い紫色ですが、豆は緑色になるそうです。そして、その豆を豆御飯にして炊くと、今度はその豆御飯がうっすらと赤身を帯び、赤飯のようになるそうです。何とも不思議な豆ですね。収穫がとても楽しみです。

一方、普通のスナップエンドウは白い花をつけ、さやごと食べられます。こちらも毎日少しずつ収穫し、茹でて何かの料理の付け合わせにして食べようと思います。

何かと手間暇かかる家庭菜園ですが、売っている野菜にはない楽しみもあり、忙しい中にもかかわらず、ついつい夢中になってしまう今日この頃です。

第179回 「卍」は寺院を表す記号?

四月八日はお釈迦様の誕生日とされ、お寺ではその日に小さな仏像に甘茶などを注いで、洗い清めます。一般にはその日を「花まつり」と呼び、甘茶などがふるまわれます。

かつて日本は敬虔な仏教国家で、花まつりの日はとても重要でした。しかし今では、ケーキやプレゼントという楽しみがあるキリストの誕生日の方が、ずっと盛大です。これを見ても、日本とは何とも不思議な国だと感じます。

さて、地図では寺院を表す記号として「卍」が使われます。調べて見るとわかりますが、これは記号ではなく、れっきとした漢字です。最初、卍は古代インドの記号だったようですが、中国に伝わって、「吉祥万徳」の意味の漢字として使われるようになったとのことです。

身近なところにも、いろいろ興味深いものがあるものです。

第178回 ゆっくりお風呂に入りましょう

先日、新聞でおもしろい記事を見つけました。京大霊長類研究所のラファエラ・サユリ・タケシタ研究員らのチームが書いた論文です。

皆様は長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑の「温泉に入るサル」をご覧になったことはあるでしょうか。私は昔、京都から群馬の田舎に帰る途中、そこに寄ってそのサルたちを見たことがあります。何ともユーモラスな風景でした。

そのサルたちの種類は、ニホンザルです。ニホンザルは世界で最も北に住むサルで、そのサルたちが冬に頻繁に温泉に入るのは、「体を温めるのが目的」とされてきました。ところが今回の分析結果によると、それだけではないというのです。

研究チームは冬に入浴したサルとそうでないサルとを分け、その糞に含まれるストレスホルモンの濃度を観測しました。すると、入浴したサルの方が、その濃度が低いことがわかりました。また、入浴した猿の方が、春に子どもがよく生まれることもわかりました。

このことから、「サルの入浴は冬の寒さによるストレスを緩和し、繁殖や生存の可能性を高めている」という結果が得られたそうです。
私は毎日、風呂で半身浴をしながら20分くらいは読書をするのを習慣にしていますが、この結果を知って、ますますその習慣を続けようという気になりました。

第177回 ある結婚式に参加して感じたこと

私は先日、友人の息子さんの結婚式に出席しました。そこで驚いたことは、「いかに来場者にサプライズを与え、楽しんでもらうか」に徹していたことです。式場の中の至る所、例えばトイレの中にも、来場者への歓迎のメッセージが書かれた自分たちの前撮りの写真が飾られている、などです。披露宴も冒頭に「皆さん、今日は大いに楽しんで下さい」という新郎新婦の挨拶があったきりで、来賓の長々とした祝辞は一切ありませんでした。

また、披露宴の途中で、何か歌などの出し物はないのかな、と思っていると、最後の最後に沖縄の三線の歌い手さんが登場して盛り上げ、ついには皆一斉に立ち上がり、それに合わせて式場の周りを踊り回るなどのハプニングもありました。
これらのことを通じ、何事につけても自分たち中心でなく、いかに相手の気持ちを考え、喜んでもらうかという相手目線が大切であると、つくづくと感じました。

第176回 大徳寺納豆

前回は花粉症対策について書きましたが、今回はその続きです。

酒粕を食べるという花粉症対策について、知り合いのお医者さんにお話ししたところ、その先生から、とても興味深い話をお聞きしました。その先生は、このようにお話し下さいました。「鳥居さん、酒粕もいいけど、お酒の酵母は単一なので、その酒粕の酵母菌がその人の腸内細菌と合うかどうかはわからないよ。それよりもっとすごい発酵食品があるよ。

それは『大徳寺納豆』だ。これは何百という菌の集合体なので、その人の腸内細菌と合いやすく、お勧めだよ。」

大徳寺は私の家の近所ということもあり、早速それを買い求めに行きました。その納豆は、夏の間2ヶ月をかけて、じっくり発酵させてできるとのことで、見た目はウサギの糞を小さくしたような感じです。恐る恐る口に含んでみると、少し塩味がある何とも不思議な味で、癖になりそうな感じです。お店の人によると、それはお茶を飲むときにつまんでもいいし、料理の隠し味としても利用できるそうです。

その先生は、「花粉症対策として食べるなら、1日ほんの少量を摂ればいい」とおっしゃっていました。そこで私は、それを早速、朝晩食べることにしました。結果が出たら、またご報告します。

日本には、古くから伝わるいろいろな食べ物があるものですね。とても驚きました。この大徳寺納豆は、通販でも購入できるそうです。ご興味がおありの方は、是非ネットで調べてみて下さい。

第175回 花粉症対策

今年も日本全国、花粉がたくさん飛んでいるようです。そして、花粉症にお悩みの方もたくさんおられると存じます。私も去年まではひどい花粉症に悩まされていましたが、今年は大分ましになっています。一説によると、花粉症は腸の免疫力の乱れから起きるとされています。そのため、ヨーグルトや味噌などの発酵食品をよく摂り、大腸を整え、免疫力を正常にすると良いとのことです。

私の娘も去年までひどい花粉症に悩んでいましたが、今年からある食品を摂るようになってから、今年はその症状がまだ出ていないということを聞きました。そこで私も最近、その食品を摂ることを実行しています。果たしてそれが効いているのかどうかはわかりませんが、昨年に比べ、その症状が少しましであるのは事実です。それが気のせいかもしれませんし、人によってその効果はまちまちだとは思いますが。
 
その食品とは「酒粕」です。ただし、「酒粕」といっても、スーパーなどで売っている普通のものとは違い、酒の蔵元で直売しているような、アルコールなどの添加物が入っていない純粋なものが良いそうです。私はちょうど岐阜県に出かけた際、幹線道路から少し入ったところにある小さな蔵元を見つけ、そこで純米吟醸のお酒を絞るときに出た酒粕を手に入れました。その後、それを少しずつちぎり、朝晩サラダと共に食べています。

確かに、酒粕にはたくさんのミネラルや酵母菌などが入っているようで、腸の健康維持には良いようです。また、酒粕にはレジスタントプロテインというものが含まれ、癌抑制効果や生活習慣病予防、美肌作りなどにも効果があるようです。
ご興味をお持ちの方は、是非調べてみてください。

第174回 子どもたちの論理的思考力

今回は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』から、ある調査結果をご紹介します。この本の著者である新井紀子氏が所属する日本数学会は、2011年に「大学生数学基本調査」を行いました。それには、全国の48大学,6000人の大学生(主に1年生)が参加しました。大学生のレベルは、国公立S,A,Bと私立S,A,B,Cの7ランクです。

問題は5問で、例えば次のようなものです。偶数と奇数を足すと、答はどうなるか。次のうち、正しいものを選び、次にそうなる理由を説明しなさい。
(a)いつも必ず偶数になる。
(b)いつも必ず奇数になる。
(c)奇数にも偶数にもなる。
この問題の正答率は、34%にすぎなかったそうです。

答えの例とすると、次のようなものも多くありました。
・全部やってみたらそうだった。
・2+1=3,4+5=9のようだから。
・三角と三角を足したら四角になるのと同じで、四角と三角では四角にならないから。
この問題に対し、満足のいく答えを書けたものは、国立Sクラスの大学生のみで、他のクラスの解答は、惨たんたるものだった。

他の4問に対する解答の状況も、同様のようで、筆者は「どこの大学に入学出来るかは、学習量でも知識でも運でもない。論理的な読解と推論の力なのではないか。」と結論付けています。皆さんはこの結論に対して、いかがお考えでしょうか。

多くの塾では、保護者の期待に応えるため、定期テスト対策を強化し、日常の生徒の成績アップを重視しています。しかし私は、自塾生の大学入試のことや、その後の進路まで考えると、「論理的思考力の強化」のような「骨太の指導方針」を持った塾の存在も大切なような気がします。そのような方針を世の保護者に訴えかけ、賛同してもらうことは、大変なことかもしれませんが、AI時代をたくましく生き抜く子どもたちを育てるには、その力の育成が大切なように思います。

第173回「マグロ3切れ」の命

船越康弘氏の講演のダイジェスト文を読み、とても感動しました。以下、その内容を紹介します。

皆さんが赤身のマグロを3切れ食べたとします。そのマグロは生きるために、エサであるイワシを千匹食べます。その千匹のイワシは、生きるために、アミエビを5億匹食べます。そのアミエビはプランクトンを50兆食べます。そのプランクトンが生まれるためには、たくさんの海水、太陽の光、空気が関わっています。

ところで、その3切れのマグロのエネルギーによって生きられる私たちの命は、たった20分間だそうです。これを知ると、自然界に存在する雨,風,水,太陽の光,プランクトン,アミエビ,イワシなどの全てが、私たちの命を支えてくれていると感じます。それぞれの小さな生命が、命を投げ出して、「私」を生かしてくれているとも言えます。これを知って、私は「もっと自分の命を大切にしなければならない」と思いました。