第243回 「赤いうどん」という不思議な野菜

まずは次の写真をご覧下さい。
写真はこちら
http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20190819.html
このような野菜をご覧になったり、食べたりしたことはおありですか。これはアフリカ原産の「レッドヌードル」というインゲンのような野菜です。

私は、この野菜の種を、ある植物学博士のような方から分けていただき、試しに5月に植えてみました。すると、写真のような美しい花が咲き、まるでミミズのような(?)実がなりました。

まさにレッドヌードルという名がぴったりの野菜です。これはインゲンのような野菜で、みそ汁に入れて食べると、コリコリした食感があり、とても美味しかったです。暑さにも強く、採っても採っても次から次へと実がなるので、とても重宝な野菜です。

第242回  現在の中学生の英語力

8月1日に、小6,中3学力テスト結果が発表されました。英語において、英作文の問題で「彼女はローマに住んでいます」という文章の正答率は、約34%だったそうです。中1で学ぶこのような易しい英作文でも、中3生の約3人に1人しか正解できないということに、私は「やはり、私が危惧していた通りだ」と感じました。

それは、基本的な英文法をマスターできていない子ども達がほとんどである、ということです。ですから、25語以上の英作文を書かせる問題の正答率が、たった2%だったことも、容易に理解できます。その根底には、国語力不足も横たわっていると思います。「彼女は/ローマに/住んでいる」という日本文において、「主語は『彼女は』で、述語(動詞)は『住んでいる』である」ということがつかめているか、がまず問題となります。次に、英語においては、彼女はネ/住んでいるヨ/ローマにネ」という感覚で話されていることをつかんでいるかが問題となります。そこで初めてShe/lives/in Rome.という文を作ることができます。

もちろんそこでは、三単現のsやinという前置詞の知識も必要となりますが、私は英語のマスターにおいては、「英語の構造をまず理解することが大切だ」と思っています。しかし、これからの英語教育の流れは、それとは真逆で、「シャワーのように英語を浴びてマスターする」というような方向性です。それで果たして、今まで以上に子ども達は英語に堪能になれるのでしょうか。

私は、これからの英語教育が進めば進むほど、「She Rome live.」のような英語を話す生徒が増えていくように感じています。

第241回 『ケーキの切れない非行少年たち』

私はタイトルに惹かれて、表題の本を読みました。著者は児童精神科医である宮口幸治氏で、精神科病院や医療少年院に勤務されている方です。

皆さんが塾生に「丸いケーキを三等分するにはどう切ればいい?」と質問したとしたら、塾生は何と答えるでしょうか。少しでも分数を学んだ生徒なら、少し考えただけで、ベンツのマークのような切り方を思い浮かべることでしょう。

しかし、多くの非行少年たちはそれがわからず、円に二本の平行線を引くような切り方を答えにするそうです。詳しくは本書に譲りますが、非行を犯す子どもたちは「性根が悪い」とかではなく、「認知機能」が弱く、「そのような行動をしたら、その後どういうことになるか」などについて、考える力が劣っているそうです。

「認知機能が弱い」ということに関しては、入塾の相談に来る生徒さんの中に、次のような傾向をもつ生徒さんがおられませんか。
1.漢字や計算がなかなか覚えられず、覚えてもすぐに忘れてしまう。
2.計算において、繰り上がりができない。
3.黒板に書いてある事柄を写せない。
4.文字をひとかたまりとして読めない。

このような傾向をもつ生徒への指導としては、普通の学校の勉強を教えることでは対応できないようです。それよりも、「点つなぎ」のような「認知機能強化トレーニング」が効果的なようです。ちょうど当社の教材の中に、『あたまの準備運動』というものがありますが、そのようなトレーニングが必要なようです。

最近、「なぜそんな事件を起こすのか。相手の立場に立って考えることはできないのか。」などと疑問に思う事件が多発しています。この本を読むと、その問題の解決には、「その子にふさわしい教育の必要性」があることがわかります。

第240回 最近の学校の様子について考える

さて、最近私は、知人の中2の娘さんが不登校になってしまったという話を聞き、現在の小・中学校の実状などについて、調べたりしています。私が小・中学生だった頃のことを考えてみると、同じ年齢の子ども達が教室に集い、一斉に先生の方に向いて同じ授業を受ける、というのは当たり前のことで、何も疑問は持ちませんでした。また、宿題の量や学校での決まり事(ルール)もおおらかで、そう負担がなかったように覚えています。

ところが、現在の子ども達を取り巻く環境は、その頃とは大きく変わっているようです。まず、考え方が多様化しているようです。「そもそも一体なぜ、年齢が同じというだけで、皆それぞれ違う子ども達なのに、同じクラスで同じ授業を受けなければならぬのか」などと根本的な疑問を持つ人もいます。また昔と比べ、宿題の量や提出物も増え、そのペースについていけない子どもや保護者も多いようです。特に、シングルマザーの家庭などは生活が忙しく、子どもへの手助けが疎かになりがちで、大変なようです。

子どもが不登校になる原因は、いじめの問題など、いろいろあると思われますが、上記のような画一的な学校のシステムにも原因があるのかもしれません。今後の教育システムも、フィンランドのような国を参考にする必要があるかもしれません。特に、現在ではエドテックが進んできました。学力がそれぞれ違うのに、生徒全員に同じ宿題を出すのではなく、生徒一人一人のレベルに合った課題を与えるなども、可能な世の中になっていると思います。これからは、そのようなシステムの利用も大切だと考えられます。また、英語4技能の能力アップも大切ですが、生徒それぞれの学力の根本的な向上は、また別の方法や仕組み作りもあると考えられ、そのための追求も重要なように思います。

第239回 長友佑都のファットアダプト食事法

私はサッカーにはあまり詳しくないので、長友選手については「日本代表として3度のW杯に出場した素晴らしいプレーヤー」くらいしか知りません。ただ、健康オタクを自称する私としては、「体を劇的に変える28日間プログラム」という本のサブタイトルにひかれ、表題の本を購入して読んで見ました(出版社は幻冬舎)。

長友選手は、ブラジル大会を28歳という、サッカー選手として最も脂がのっている歳で迎えましたが、不調に終わりました。一般的に、アスリートは加齢と共にパフォーマンスが落ちるとされていますから、32歳で迎えたロシア大会での活躍は、期待されていなかったようです。しかし、彼はその大会で絶好調でした。その秘密がファットアダプト食事法にあったそうです。ファットアダプト食事法とは、脂質(ファット)をエネルギー源として上手に使えるようにする(アダプテーション)食事法だそうです。

詳しくは本書に譲るとして、ポイントは、「糖質の摂取をコントロールして、血糖値の乱高下を抑え、良質のたんぱく質と脂質を積極的に摂ること」です。彼は、食事の大切さについて、ブラジル大会が終わった後に気付いたそうです。つまり、「いくら練習しても思うように体が動かない,怪我も多い,これらはトレーニング不足ではなく食事の問題である」ということです。そのきっかけは、世界一のテニスプレーヤーであるジョコビッチ選手の本だったそうです。私もその本を読みましたが、「なるほど、トッププレーヤーは『何を食べるか』ということも勝つための重要なポイントなのだ」と知りました。

そこで、長友選手も食事についての研究を始め、専属のシェフも雇い、お医者さんのアドバイスも受けつつ、2年近くもこのファットアダプト食事法を実践し続けたそうです。その結果はめざましく、彼自身は「今までは、燃費が悪くて足回りもいまいちだった古めかしいセダンが、ガソリンでも電気でも走れるハイブリッドのスポーツカーに一気に進化したようだ」と述べています。

私自身も、長友選手とまではいきませんが、食事,運動,睡眠などが著作や仕事に大きく関係していることは実感しているため、この本の内容はとてもよく理解できました。この本を読んで、私が最も驚いたことは、「長友選手は栄養学を専門とするお医者さん並みに勉強し、研究している」ということです。どんなスポーツの選手であっても、一流となるには、ここまでのレベルに到達しなければならないのか、と痛感しました。一流選手になるには、肉体面を鍛えるだけでは足りず、精神面のコントロール、そして「勉強」も大いに大切なようです。

第238回 日本の子ども達をとりまく憂慮すべき環境

最近、現代の子ども達をとりまく環境について、心配に思うことが多々あります。スマホなどの影響で、国語の読解力が落ちていることもその一つです。また、タワーマンションの上層階に住む子どもは、自然との触れあいが少なく、学力や情緒面にも悪影響が出ているなどの報告もそうです。また、歯の問題も深刻なようです。

私はある雑誌で、神奈川歯科大学助教である中村朋美さんの話を読み、その深刻さに驚きました。それは、今の小学1年生くらいの子どもから、20代後半くらいまでの大人に、顎の狭小化が顕著に見られる人が増えているということです。つまり、今の子ども達は顎が小さくなり、まるで宇宙人のような顔をした子どもが増えているというのです。そうなると、歯並びが悪くなり、矯正をする子が増えたりし、健康にも影響してきます。

では、一体なぜそんな子どもが増えているのでしょうか。ひとつには、軟らかい食べ物が増え、子ども達の食事のときの「噛む回数が減っている」ことにあります。咀嚼研究第一人者である斎藤滋先生によると、卑弥呼が生きた弥生時代の一食の咀嚼回数は、3990回だったそうです。しかし、現代は620回と、6分の1に減り、時間でみると51分から11分となっているそうです。そう言われてみると、昔の武士の顔は、エラが張った人が多いように感じますが、それも咀嚼回数に関係がありそうです。

噛むことの健康効果は数多くあるようで、それを分かりやすく伝えるために、学校食事研究会が「卑弥呼の歯がいーぜ」という標語を作ったそうです。それは次の通りです。
〈ひ〉肥満予防、〈み〉味覚の発達、〈こ〉言葉の発音がはっきり、〈の〉脳の発達、〈は〉歯の病気を防ぐ、〈が〉がんの予防、〈いー〉胃腸の働きを促進、〈ぜ〉全身の体力向上と全力投球

いかがでしょうか。
 
私も以前から咀嚼の大切さを知り、食事を口に入れたら必ず箸を置くことにしています。そして、30~50回は噛み、口の中の食べ物がドロドロになってから飲み込むようにしています。すると、胃腸の働きが良くなり、栄養も無駄なく吸収されると感じます。

最近は核家族化が進み、しかも両親ともに仕事をもつ人も多くなってきました。そのため、今の子ども達は、「孤食」になることが多く、食事のマナーも身につかず、いわゆる食べ物に口を近づけて食べる「犬食い」になっている子も多いようです。是非、以上のような「噛むことの大切さ」についても、若い保護者の方に伝えていきたいものです。

第237回 『いま、ここで輝く。』

私は先日、表題の本を読みました。著者はおおたとしまささん、出版社はエッセンシャル出版社です。

この本は、東大合格者数では全国トップレベルの進学校である、栄光学園〈中・高〉の数学教員をされている「イモニィ」こと井本陽久さんについてのものです。イモニィの授業はとてもユニークで、全国から教員だけでなく、カリスマ塾講師、プロ家庭教師など、たくさんの人が見学に訪れるそうです。そして、その授業を受ける生徒たちの躍動感を目の当たりにし、皆感激して帰られるそうです。

私は、その授業がどんなものなのかに強く興味を持ち、本書を読み進めました。詳しくは本書に譲りますが、そのポイントは、「興味を引き出し、深く考えさせ、しかもそれらをゲームのように楽しい雰囲気の中でする」ということのようです。

今の学校では「幾何における証明問題」などは、深く扱いませんが、イモニィの授業では、それを積極的に取り入れ、数人のグループを作って、各チームで競わせるなども行っています。一見、受験勉強とは、かけ離れているように見えますが、これらを通じて「深く考えさせる」ということが、学力を高めるために大切なようです。

少し話は変わりますが、当社の『ろんりde国語』には、「〈なくしたのですか/ペン/どこで/あなた〉について、助詞を補いながら適切な文をつくりなさい」などの問題があります。このような問題を解くためには、「ああでもない、こうでもない」と頭を使います。そのような過程の中で、国語力や論理的思考力が身につきます。そして、それをきちんとした文字でます目を埋めるということで、国語力が定着します。

最近、ICTや映像が中心の教材が増えていますが、私は「学力を伸ばすには、深く考えたり、実際に文字を書かせることが最も重要である」と思っています。皆様のお考えはいかがでしょうか。

第236回 「%」が分からない大学生

最近私は表題の本を読みました。著者は芳沢光雄氏で、出版社は光文社です。

芳沢氏によると、現在の日本の大学生に「2億円は50億円の何%か」という質問をすると、「50÷2=25だから25%です」と答える人が2割前後いるそうです。また、中3生を対象とした全国学力テストの結果では、食塩水の濃度の問題について、2012年の中3生の方が、1983年の頃の中3生より正解率が20%も下がっているそうです。

このような現象の背景に何があるのでしょうか。詳しくは本書の内容に譲りますが、一番大きな問題は、学生たちが「やり方や解き方だけ覚えようとして、『なぜそうなるか』とか『深く考えること』をしなくなったこと」にあるようです。

確かに、教材展示会で塾の先生方とお話をしていると、「最近の生徒たちは、考えることを放棄して『わからん』を連発し、すぐに答えを聞こうとする傾向が強い」などと答える方が多くおられます。また、保護者にも、ちょっと考えれば分かることでもすぐに聞いてきたり、感情的になったりする人が多いようです。また、塾を選ぶこと一つについても、よく調べたり考えたりすることなく、一部の情報だけを鵜呑みにして決めてしまう人もいるようです。

ではなぜ、このような数学の力や考える力が衰えてきてしまったのでしょうか。ある塾の先生は「ゆとり教育などによって、親の学力や考える力が衰え、それが今の子どもに影響を及ぼしているのではないか」とおっしゃっていました。生徒たちと接するときは、すぐ答を教えず、じっくり考えさせる習慣をつけることも大切なようです。

第235回 お金を貯める?信用を貯める?

上記の表題に対して、「信用を貯めるより、まずはお金を貯めることだろう」と考える人は多いと思われます。私は、その逆の考え方で成功した人の話を知って、とても興味深く思いました。

その人は「ホームレス小谷」というあまり売れていない芸人さんです。彼はクラウドファンディングに、「今度結婚します。でも2人にはお金がありません。一口4千円を支援してくれたら結婚式に招待します。」という告知をしたそうです。常識から言えば、「ふざけるな。それくらい自分で貯めてから結婚しろ」と炎上してしまいそうな告知です。しかし彼は、3週間で250万円も集め、盛大な結婚式を挙げたそうです。一体そのからくりはどうなっているのでしょうか。

実は彼はその半年ほど前に「何でもやります。僕を買って下さい。1日50円です。」とネット上で告知し、人を集めるという「何でも屋」をしていたのです。日給はたった50円ですから、支払う人は「申し訳ない」と夕食をご馳走したり、手土産をもたせたりしていたそうです。これがもし「日給1万円」だったら、たっぷり働いてもらって、あとは「はいサヨナラ」となったことでしょう。しかし、彼の場合は、50円以外の対価として、たくさんの「ありがとう」をもらっていたことになります。

そうです。彼の結婚費用を支援したのは、かつて彼を1日50円で雇った人たちだったのです。その人たちが、「あの小谷さんの結婚式なら4千円くらい喜んで!」と1口、2口、3口と振り込んできたそうです。小谷さんが半年間、日給50円で貯めこんできたものは、「お金」ではなく、「信用」だったのでしょう。その「信用」が、結果的に250万円という「お金」に換えられたようです。何ともいい話だと思いました。

第234回 木村塾の奇跡

私は先日、表題の本を読みました。著者は木村吉宏氏で、PHPから出版されています。

木村氏は、尼崎市、西宮市、伊丹市など阪神地区、及び大阪北摂地区に、30校舎ほどを展開し、木村塾の生徒数は7千人を超えています。なぜこんな少子化の時代に大きな躍進を遂げているのでしょうか。

私は仕事の関係上、木村氏もよく存じ上げていますし、以前からその躍進振りも把握していました。しかし、この本を読むまでは、なぜそのような実績をあげることができるのか、その秘密を知ることはできませんでした。そして、やっとこの本を読むことで、その秘密の一部を知ることができました。

一般の塾では、どのように生徒のモチベーションを上げ、勉強に駆り立てたり、成績を上げるような仕組みを作っているでしょうか。少なくとも私の塾では、塾生に向かって勉強をすることの意義や、大学に行くメリットなどを伝えている程度でした。各自の定期テストの点数アップについても、「――君を追い越そう」とか「――塾打倒」などという目標を掲げ、生徒を叱咤激励する塾もあることでしょう。

この本を読んで私は、「なるほど、そういう方法で生徒の考え方やものの見方を変えてしまうのか。それはすごい仕組みだ」と感心しました。木村氏がこの本を刊行するに当たり、社員から「社長、ここまで当塾の秘密を明かしてしまっていいのですか。他塾がうちの真似をするようになると、まずいのではないですか」との声が上がったそうです。それに対し木村氏は、「真似をしてくれた方が、子どもたちのために、かえって良いことだ」と答えられたそうです。このようなことにご興味ある方は、一読をお勧めします。