第156回『医者が教える食事術』

上記の本を読みました。この本は、糖尿病専門の牧田善二氏によって書かれたものです。この本を読むと、私たちは食事についてどのような注意を払うべきかがよく分かります。糖尿病を専門としている氏が特に注意を促しているのは、「糖質の摂りすぎは体によくない」ということです。特に、砂糖がたっぷり入っている缶コーヒーやジュース、スポーツ飲料の摂りすぎは体に悪いようです。

忙しいビジネスパーソンなどは、「疲れたときには甘いものを摂るとよい」と信じている人もいます。しかし、それは逆効果になるそうです。それをすると、一時的に血糖値が上がり、疲れが取れたかのように思えます。しかし、またすぐに血糖値が下がり、また甘い物を欲しがるという悪循環を招いてしまうそうです。

砂糖、ごはんやパン、麺類、果物、ケーキやせんべいなどの糖質を食べ過ぎると、血糖値が上がります。すると、それを下げようとして、膵臓からインシュリンが出ます。それが過度に繰り返されると、糖尿病にかかりやすくなります。また、余った糖は脂肪などとして体に溜め込まれるため、太りやすくなります。このように、糖質や炭水化物の摂りすぎは、とても危険なようです。

この本を読んで、正に書いてある通りだと思いました。私自身の朝食は、柿酢とオリーブオイルをかけた野菜サラダ、納豆、味噌汁です。これらを、新聞を読みながら良くかむことを心掛けて、20~30分かけて食べます。大豆、オリーブオイル、酢はとても体に良いようです。また、味噌汁には、豆腐、とろろ昆布などの海藻、ナメコなどのキノコ類を入れるようにしていますが、これらも体に良いようです。このような食事を心掛けた結果、数年前より7㎏程の減量に成功しました。今後もこのような食事を続けようと思います。

第155回 進化する評価制度

ある情報誌を読んでいて、驚いたことがあります。それは、斬新な人事評価制度です。

一般に、人事評価制度は給与や賞与に連動します。しかし、それだけでは多様化する各個人を正しく評価することはできず、各社員の貢献度に対する適切な報酬を決めるには無理があります。そこで、その会社内だけで通用する仮想通貨を用いて、その不備を解消するシステムが登場しています。

例えば、めがねやサングラスのチェーン店を運営する(株)オンデーズが採用しているシステムがそれです。その会社では、例えば1ヶ月無遅刻無欠勤だと9千マイル、1年間だと3万マイルがボーナスとしてもらえます。1マイルは3円相当なので、9千マイルでは約2万7千円ということになります。

その他にも、店舗が月次売上高を達成すると、店長には3万マイル、社員には9千マイルが与えられます。また、会社に業務の改善案を出したら、500マイル、そしてそれが採用されたら1万マイルがもらえるそうです。つまり、会社に貢献すればするほど、マイルがたまるという仕組みです。

たまったマイルを利用する仕方もユニークです。ダイソンの掃除機などに引き替えられるのはもちろんのこと、乗馬の体験券や「専務と銀座の高級クラブで飲む券」などにも引き替えられます。

これらのシステムがうまく機能する裏には、スマホのアプリの力があります。つまり、たまったポイントをいつでもスマホから見ることができるという仕組みです。この仕組みは、社員のモチベーションを上げて離職率を下げるだけでなく、教育・評価・採用までが含まれた制度になっているようです。

第154回 「運・鈍・根」か「根・鈍・運」か?

先日、かつての東京オリンピックの水泳に出場し、今はセントラルスポーツの会長になっている、後藤忠治氏の記事を読みました。氏は水泳部時代、精神修養のため、北鎌倉の円覚寺に座禅修行に行きました。

そのとき、管長の朝比奈宗源氏から「人生は運・鈍・根ではない。その逆の根・鈍・運である。だから、運をつかむために、じっくり腰を据えて愚直(鈍)に、根気強く(根)努力することが大切である」と教わりました。氏は、教えを愚直に守り続けた結果、スポーツクラブを全国210カ所に展開するなど、その事業を拡大することに成功しました。

また、後藤氏と同じように愚直に努力した結果、運をつかんだ例が、1988年ソウルオリンピックの男子100メートル背泳ぎで金メダルをとった鈴木大地氏(現スポーツ庁長官)です。当時、氏は優勝候補ではありませんでした。しかし、優勝を狙うためにある秘策を練り、それを徹底的に練習しました。それは、スタート後に水中にもぐりドルフィンキックで進む、「バサロ泳法」を徹底的に磨くことでした。そのために、バサロを息継ぎせず、100メートルも続ける練習を行ったそうです。そして決勝では、バサロを行う距離を25メートルから30メートルへと伸ばす作戦をとり、それが見事に成功して優勝しました。まさに鈍と根が運を引き寄せた結果です。

さて、私が驚いたのはそのバサロのことだけではありません。鈴木氏は決勝に向けて、爪を5ミリ近くも伸ばしていたそうです。氏は、最後のタッチで「その爪をはがしてもいい」という覚悟で臨んでいました。そして結果はというと、2位との差はわずか1.5センチだったそうです。私はこれを知って、「超一流の人は、そこまで考えそこまで覚悟して実行するのか。自分の今のしている努力や行動は、まだ甘いものだ」と感じました。

第153回 英語?それとも国語?

今、教育の世界では、読む、聞く、話す、書く、の英語四技能の話題でいっぱいです。また、それらにまつわる、いろいろなシステムやソフトがたくさん出回っています。果たして、そのブームにどんどん乗っていくことは正解なのでしょうか。

話は変わりますが、私は原稿を書いたり、メールの返事をするのに、アイフォンの音声入力を使っており、とても重宝しています。この機能を使うと、ただしゃべるだけでその内容が次々と文字に変わるので、とても便利です。更にその変換能力は、年々向上していると感じます。多分その原因は、数多くの音声データが蓄積され、AIなどが使われて、その正確さが増しているからでしょう。

これに関連して、自動翻訳機能も進化していると聞きます。つまり、日本語をしゃべると、その内容がそのまま他の言語に変換され、音声を通じて相手に伝わるというシステムです。これがどんどん変化し、普及していくと、どんなことが起きるでしょう。

「もしかして」というレベルの話ですが、何年かすると、何年間もかけて学んできた英語の力が不要になるかもしれません。それはちょうど、車の自動運転に似ていることでしょう。車の自動運転が普及すれば、時間とお金をかけて教習所で運転技術を学ぶことが不要となり、誰でも車を運転できる世の中が訪れることでしょう。英語の世界はそれと似てくるかもしれません。

それよりも私は、子ども達がこれからの世の中で必要とされるものは、「国語力」だと思います。最近の子ども達は、何でも「ヤバイ」という言葉で済ませてしまうような傾向があるようです。私は、子ども達の語彙の不足は、人間が動物に近くなってきている警鐘のように思い、とても危機感を感じます。英語を含む全ての学問の根底は、国語力にあるのではないでしょうか。

2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏は、IBMのWebメディア「無限大」に「日本にノーベル賞受賞者が多いのは、日本語で学んでいるからだ。」と答えているそうです。

また、作家の丸谷才一氏は、「日本語を伝達のための道具として使うことも大切だが、思考のための道具として使うことが、より大切である」と述べておられるそうです。

英語も大切ですが、母語でしっかり学び、深く核心を突く考えを身につけるためにも、もっと国語力を磨くことに力を入れてもいいのかもしれません。